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世田谷ニュース

心に響くひととき 〜院内ピアノコンサートを開催しました〜

2025年6月11日(水)、院内にてピアニスト・黒田稜(くろだ りょう)さんをお迎えし、入院患者さん向けのピアノコンサートを開催しました。会場には30〜40名の患者さんが集まり、心温まる音楽に耳を傾けました。

演目には、クラシックの名曲ショパン「ノクターン遺作」をはじめ、「月の沙漠」「朧月夜」「里の秋」「荒城の月」など、どこか懐かしく情景の浮かぶ名曲が並びました。また、坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」や、現代的な「夜明けのキャット」も披露され、多彩なラインナップで観客を魅了しました。

印象的だったのは、曲間に黒田さんが作品の背景や作曲家のエピソードをやさしく語ってくださったことです。たとえば〈ノクターン遺作〉は、祖国ポーランドを離れたショパンが胸に抱いた望郷の想いを映した曲であり、〈戦場のメリークリスマス〉には作曲中に坂本龍一がふと意識を失い、目覚めると譜面が書いてあったという不思議な逸話が残っていると紹介してくださいました。物語を聞いた直後に響くピアノの余韻が、患者さまの表情をいっそう和らげていたように感じられました。

演奏中には自然と口ずさむ方も多く、演奏後には、

  • 「中学生のころに歌っていた曲があって懐かしかった」
  • 「久しぶりに歌って楽しかった」
  • 「こんな本格的なコンサートは初めて」
    といった喜びの声が聞かれました。

演奏を披露してくださった黒田稜さんは、東京音楽大学付属高等学校を卒業後、東京音楽大学へ進学。これまでに、介護施設での演奏や「ながさきしま巡りコンサートin壱岐」、ポーランドのシレジア・フィルハーモニー管弦楽団との共演、さらにはワルシャワで開催された第57回ワジェンキ公園演奏会など、国内外で活躍を続けている実力派です。

演奏会は、患者さんの心に寄り添うあたたかい時間となり、院内にやさしい余韻を残しました。今後も、音楽を通じて癒しと希望を届ける取り組みを続けてまいります。