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病院からのお知らせ

第19回 平成医療福祉グループ学会

平成医療福祉グループでは、ミッション「じぶんを生きるをみんなのものに」の実現を目指し、職員による各分野での研究発表や課題をグループ全体で共有して、技術やサービス・意識の向上へつなげるための学会を開催します。

今回は、特別講演として、講師に「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」の開発に関わる慶應義塾大学教授 牛場 潤一氏と、『客観性の落とし穴』の著者で大阪大学大学院教授の村上 靖彦氏を招いてお話しいただきます。

そのほか、ケアや診療などについて、さまざまな観点から内外の講師が話すセッションや、グループスタッフによる研究発表を予定しております。

オンラインでどなたでもご参加できますので、ぜひお気軽にご応募ください!

詳細および事前参加登録は以下のサイトをご覧ください。

第19回 平成医療福祉グループ学会 特設サイト

【第19回 平成医療福祉グループ学会 開催概要】

主催:平成医療福祉グループ
開催日時:2024年9月28日(土)9時〜17時
開催方法:Web開催
会場:オンラインイベントプラットフォーム『Event In』
参加費:無料
申込み:平成医療福祉グループ Peatix
詳細:第19回 平成医療福祉グループ学会 特設サイト

特別講演.01

テーマ
『治ることを諦めない』

講師

慶應義塾大学 理工学部 生命情報学科
教授 牛場 潤一

時間
9:15~10:45

講演概要
脳と機械を直接つなぐ最先端のテクノロジー「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」は、重度な脳卒中片麻痺上肢の機能回復を誘導できる革新的なリハビリテーション技術として国内外の注目を集めている。2018年ごろから活発になった複数のランダム化比較試験とメタ分析による有効性の報告、「脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2023)」への収載(推奨度C、エビデンス高)、そして2024年春には、私が創業し、代表を兼業している(株)LIFESCAPESから医療機器<医療用BMI(手指タイプ)>の薬事認証と上市が実現した。本講演では、BMIが毎日の臨床にどのように役立ち、新しい価値を生み出すのか、実際の利用例を交えながら解説する。

講師略歴
2001年、慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。
2004年、博士(工学)取得。同年、慶應義塾大学理工学部生命情報学科に助手として着任。
2007年同専任講師、2012年同准教授を経て、2022年より同教授。
2014~2018年、慶應義塾大学基礎科学・基盤工学インスティテュート(KiPAS)主任研究員。
2019年より研究成果活用企業LIFESCAPES株式会社(旧 Connect株式会社)代表取締役社長を兼務。
共著書に『バイオサイバネティクス 生理学から制御工学へ』(コロナ社)がある。
The BCI Research Award 2019, 2017, 2013, 2012, 2010 Top 10-12 Nominees、文部科学省「平成27年度若手科学者賞(ブレインマシンインターフェースによる神経医療研究)ほか、受賞多数。

特別講演.02

テーマ
『時間がショートカットされる』

講師

大阪大学大学院 人間科学研究科
教授 村上 靖彦

時間
13:00~14:30

講演概要
数値による判断のみが重要であると考え、個人の経験を「お気持ち」として批判する人がいる。もしかすると経験にもとづく判断は、心許ないものだと考えているのかもしれない。
しかし客観的な数値と個人の経験は異なる次元の出来事であり、異なる真理をもつ。
客観性がもたらす正しさとは別の、一人ひとりの経験がもつリアリティに属する真実がある。ケアの現場のように、個別に偶然生じる経験や文脈が重要なとき、数値的なデータにのみ頼ると大事なものが抜け落ちてしまう。
今回は、論破やネット上での炎上がもつ独特の時間感覚を、経験と対話の時間と対比させながら議論したい。経験の時間と対話の時間がショートカットされる時代としての現代が主題となる。

講師略歴
1970年東京生まれ、大阪大学 人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点CiDER兼任教員

著書
『在宅無限大 訪問看護師がみた生と死』(医学書院 2018)
『子どもたちがつくる町 大阪・西成の子育て支援』(世界思想社 2021)
『ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと』(中公新書 2021)
『「ヤングケアラー」とは誰か 家族を“気づかう”子どもたちの孤立』(朝日選書 2022)
『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書 2023)、他