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世田谷ニュース

聖路加国際大学 看護学部の実習風景

 当院では毎年、「聖路加国際大学(看護学部)」の学生の皆さんの看護実習の受け入れを行っております。学生の皆さんは当院以外にも急性期病院(救急指定病院等)や訪問診療の現場なども含め4クール(1クール8日間)に渡り、実習を行っています。当院では特に「老年看護」の分野における現場実習として、各学生がそれぞれ6日間、各々の時間を過ごされました。最終クールの学生さんの実習の様子や実習を通じてどのような気づきがあったかなどをまとめさせていただきました。

牛場 直子|医師/ リハビリテーション科 部長

Uさん

将来はこどもと関わる仕事がしたい、と小児看護を志望しているUさん。養護教諭の勉強にも取り組み、将来の選択肢の幅を広げています。当院での実習に来られるまで、小児科・精神科・周産期・成人・訪問看護の分野において多くの実習経験をしてきました。

「私が実習の中で担当させていただいた患者さんは100歳を超える高齢の患者さんで、短期記憶障害や見当障害がなく、認知機能も高い方でした。クロスワードパズルやお喋りが大好きで、リハビリも意欲的にこなされていましたが、やはりご年齢的に新たなことを覚えるのに時間を要し、目標をクリアすることは容易ではありませんでした。実習中はその方の残存機能を低下させず、その人らしい生き方をサポートさせていただき、在宅復帰を目指す方の看護ケアに取り組みました。」

「世田谷記念病院のスタッフの皆さんは、想像していた以上に多職種でコミュニケーションを頻繁に取られていて、皆さんで常に『患者さんをどのようにその人らしくいられる場所へお戻しできるか』という共通の課題意識を持っていることが『他の病院とは明らかに違う』と感じました。患者さんお一人お一人が“自分らしく生きる”ためのサポートに全力で取り組まれている臨床の現場を目の当たりにし、勉強になりました。ありがとうございました!」

牛場 直子|医師/ リハビリテーション科 部長

Hさん

 Hさんは学士編入の学生さんで、以前は「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」にお勤めだったそうです。コロナ禍でオリンピック開催が延期されたとき、同僚が体調を崩したのを見て「自分は話を聞いてあげることしかできない。もし自分が医療知識やケアについて精通していたら、この目の前の同僚の助けになられるのに…」と感じ、看護師の道を志したそうです。

「私の担当患者さんは70代で片麻痺や注意障害があり、食事中やリハビリ中も傾眠傾向が見られる方でした。ご病気のため、担当看護師の名前も中々覚えることが難しかったのですが、その中でも限られた時間で関わりの時間を持たせていただいた私の名前を覚えてくださり「Hさん、ありがとう。」と声をかけていただいたことに大変感動しました。世田谷記念病院では患者さんをサポートする*PT、OT、STのスタッフの方がたくさんいることにも大変驚きました。退院後もその人らしい生活を送ることができるよう病院全体で多職種で協力されていることを私も多職種の一員として体験させていただくことができました。皆様大変お忙しい中、実習のお時間をいただきありがとうございました!」

※世田谷記念病院には総勢100名を超えるセラピストが在籍しています。

 学生お二人が共通しておっしゃっていたことは「 世田谷記念病院は、患者さんの在宅復帰を全職種でサポートしている 」ということでした。実習を終えられた学生の皆さんのご意見をお伺いし、改めて当院がどういったことを大切にしているか、再認識させていただく機会となりました。来年、また新たな学生さんをお迎えできること、スタッフ一同お待ちしております。